昨年1年間で数多くの企業へCADの出張研修に伺いました。その大半がAutoCAD LT を使った内容です。
「他のCADからAutoCADに乗り換えた」 「AutoCADを使うのは初めて」 という方々への研修の場合、新規図面を作成し始める歳には、デフォルトのテンプレートを使用します。ちなみにAutoCADでは「acadiso.dwt」がデフォルトで選択されています。
業種や会社によって図面の様式はそれぞれ異なっていると思いますが、寸法スタイルの設定の説明をしている時に、毎回「ここは必ず変更してください。」と言っている個所があります。既にAutoCADを使っている会社ならご存知でしょうが、
[基本単位]タブの中にある
・「長さ寸法」>「十進数の区切り」
・「角度寸法」>「精度」
・「角度寸法」>「0省略表記:末尾」
です。
・「長さ寸法」>「十進数の区切り」にはデフォルトで「 , カンマ」となっているので、当然ですがこれではおかしいので、小数点を表示する為に「. ピリオド」に変更します。
・「角度寸法」>「精度」は0となっていますが、このままでは1度未満の端数が存在する角度の時でも整数でしか表示されず、正確な角度寸法記入ができません。小数表示ができるよう「長さ寸法」と同じ精度にしておきます。
・長さ寸法と同様、「角度寸法」>「0省略表記:末尾」にチェックを入れることによって、小数点以下が無い時には余計な0を省略することができます。
研修先の企業では、実際のところ全くゼロの状態からAutoCADで作図をされるところはほとんどありません。多くは「他社から受け取った図面に自社製品・パーツ・注記を追加する」という編集が大半を占めているので、普段はあまり意識されることはないかもしれません。ですが、自社専用のテンプレートをゼロから作成する際には、外せない設定個所となります。
「ピリオド(終止符)」よりも「カンマ(コンマ)」を使用している国の方が、その数が多いようですがちょっと面倒ですね。ちなみに、寸法スタイル編集のダイアログボックス内で区切り文字として設定できるのは「ピリオド」「カンマ」「スペース」の3種類のみとなっています。もし、それ以外の文字を小数点区切りに使用したいときは、システム変数「DIMDSEP」を使います。
コマンド:DIMDSEP<Enter>
DIMSELPの新しい名前を入力: と<Enter>
のような場合には整数と小数の間に「と」の文字が入ります。
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